食・料理
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監修者:管理栄養士 佐々木倫美(ささきともみ)
ししゃもは昔から日本の食卓になじみのある魚で、栄養も豊富に含まれている。小ぶりなサイズで食べやすいのも特徴のひとつだ。今回は、ししゃもの栄養と効能について説明する。この記事を読んだら、積極的にししゃもを食べたくなるような魅力を発見できるだろう。
頭からしっぽまで食べられるししゃもは、たんぱく質や脂質、ビタミンなどの栄養価が高い優秀な魚だ。ここではししゃもに含まれている主な栄養と効能を紹介する。
ししゃもには、DHAとEPAという脂肪酸が豊富に含まれている。(※1)
DHAは、脳を構成する脳細胞の膜に多く存在している。DHAを摂取することにより脳が活性化し、脳の栄養素といわれるほど脳にとって重要なものだ。また、血流を改善する効果もあり、生活習慣病の予防に期待されている。(※3)
EPAは、青魚から摂取できる必須脂肪酸である。体内で合成できないため、食品から摂取しなければならない。EPAは体内の血流をよくする効果がある。また、DHAとの相乗効果で脳の血管を健康に保つ効果もあるため、DHAと一緒に摂取するとよい。ほかにもアレルギー症状を緩和する効果もある。(※4)
亜鉛は全身の細胞内に存在しており、免疫力の向上や身体の成長を促す効果が期待できる。亜鉛は不足してしまうと味覚障害や抜け毛、免疫機能の低下など、さまざまな欠乏症を引き起こす恐れがあるので、積極的に摂取したい栄養素のひとつだ。(※5)
ししゃもには、ビタミンBの中でもビタミンB2が豊富に含まれている。(※3)ビタミンB2は健康的な髪や爪、皮膚を作り出す効果がある。また、生活習慣病の予防や改善にも効果的だ。(※6)ほかにもビタミンDも多く含まれ、歯や骨を丈夫にしたり免疫力を高めたりする効果がある。(※7)
ししゃもは骨ごと食べられるため、カルシウムを効率よく摂取できる。カルシウムは、身体の骨や歯を作るうえでとても重要な栄養素だ。(※8)
たんぱく質は、人間が生きていくために重要な栄養素だ。筋肉や臓器を作るのはもちろん、免疫力の向上にも効果がある。(※9)
お腹の中に卵があるメスのししゃものことを子持ちししゃもという。卵にはコラーゲンが豊富に含まれている。コラーゲンはたんぱく質のひとつで、美肌効果や、骨を丈夫にする効果などが期待できる。コラーゲンを摂りたい人はオスのししゃもよりも、メスの子持ちししゃもを食べるとよいだろう。(※10)
生のししゃも100gあたりに含まれる栄養素は以下のようになっている。(※2)
このように、ししゃもには栄養素がたくさん含まれていることがわかる。
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次に、ししゃも1匹(20gとする)の栄養とカロリーを見ていこう。(※2)
ししゃもはカロリーが低く、栄養が豊富ということがわかるだろう。
ししゃもの栄養素を紹介したが、料理にするとカロリーや栄養素はどのように変わってくるのだろうか。実際に見ていこう。
ししゃも1人前(3匹)を油で揚げた場合のカロリーは、171kcalとなる。やはり揚げ物にすると生の状態と比べ、カロリーは高くなってしまう。ビタミンB2は0.19mg、ビタミンE(トコフェロールα)は2.0mg、カルシウムは189mgとなっている。
揚げ物は子どもでも食べやすく、栄養もしっかり摂れるのでおすすめだ。
ししゃものみりん干し100gのカロリーは、166kcalと、生の状態と変わらないことがわかる。たんぱく質21.0g、脂質8.1gと、こちらもかわらない。カロリーを気にする方は、フライよりもみりん干しを食べるとよいだろう。
ここではししゃもとめざしの栄養の違いを紹介する。(※2)(※11)
【エネルギー】
【たんぱく質】
【亜鉛】
ししゃも100gあたりのエネルギー量が152kcalに対してめざしは206kcalと、カロリーが高くなっている。たんぱく質はししゃもが21.0gに対してめざしは18.2gと少ない。また、亜鉛もししゃもが1.8mgでめざしが1.2mgと少なくなっている。このことから、ししゃもはカロリーが低く、栄養価が高い魚であることがわかる。
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ししゃもには、カルシウムやDHA、EPAといった妊娠中に嬉しい栄養が豊富に含まれているため、妊娠している方に積極的に食べてほしい食材のひとつである。魚には水銀が含まれているので、食べる量に注意が必要といわれているが、ししゃもに含まれる水銀はごく少量だ。妊娠中でも安心して食べられるだろう。
ししゃもの栄養素とその効能について紹介した。ししゃもは低カロリーで栄養が豊富であることがわかっただろう。妊娠中の方や、ダイエット中の方におすすめの食材だ。ししゃもを食べると身体に嬉しい効果がたくさんあるので、ぜひ日々の食事に取り入れてみてほしい。
(参考文献)