食・料理
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監修者:管理栄養士 渡邉里英(わたなべりえ)
太刀魚は美しい銀色と太刀のように細長い体が特徴の魚だ。旬の魚はとくに脂のりがよく美味しいが、太刀魚の旬はいつなのだろうか。太刀魚の最も美味しい旬の時期をはじめ、鮮度のよいものの選び方、調理のポイントやおすすめの食べ方を紹介していく。
太刀魚は国内の海のある地域のほとんどで水揚げされる。とくに温暖な海域を好むため、和歌山県や愛媛県、大分県での漁獲量が多い。では、太刀魚が最も美味しくなる旬の時期はいつなのだろうか。
太刀魚は初夏から秋にかけて産卵期をむかえる。この時期に群れとなり浅瀬に来るため漁獲量が多くなり、味もよいといわれている。そのため、太刀魚の旬の時期は夏を中心とした6~10月頃と考えられる。
ただし、太刀魚は1年中水揚げされ、ほかの魚と比べて脂の乗り方にも時期による差が出にくい。そのため、夏が旬ではあるがどの時期のものでも美味しく食べられる。
太刀魚は、スズキ目サバ亜目タチウオ科の魚である。名前の由来でもある太刀のように細長い体と銀色の皮が大きな特徴だ。また、鋭く細かい歯をもち、うろこがまったくない点もほかの魚と異なる性質である。
鮮度がよく美味しい太刀魚は、見た目などから見分けることができる。太刀魚を購入する際は、下記のポイントを踏まえて選ぶとよい。
【皮が銀色に光っている】
鮮度のよい太刀魚ほど、銀色がキラキラと光って見える。逆に時間が経ち鮮度が落ちるにつれ、銀色がだんだん濁ってくる。
【目が澄んでいる】
ほかの魚と同様に、目で鮮度を見分けることもできる。目が黒く澄んだ色をしていて、周りがきれいな白のものを選ぼう。
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【切り口の色が透明でピンクがかっている】
切り身で購入する場合は、切り口に透明感があり、ピンクがかっているものを選ぶとよい。
【大きさがちょうどよい】
1尾まるごと購入する場合は、80cm~1mほどの中型サイズがおすすめ。小さ過ぎると小骨が気になり、逆に大き過ぎると大味になる場合があるからだ。
【身が締まっている】
太刀魚は、できるだけ身の締まりがよいものが新鮮である。触って選べる場合は、より硬くハリのあるものを選ぼう。
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太刀魚はクセのない味と脂のりのよさが特徴の魚である。皮にも旨みがあるため、生食でも加熱調理でも皮ごと食べるのがおすすめだ。白身魚として、さまざまな食べ方を楽しめるため、ぜひ自宅での調理にも挑戦してみよう。
うろこがないため扱いやすく骨離れもよいが、小骨が多いため注意が必要だ。また、体長がかなりあるため、まるごと購入した場合は、扱いやすい長さにカットしてから捌くとよい。
刺身やムニエル、天ぷらなどにする場合は、三枚おろしにして中骨と腹骨(小骨)を取り除いておこう。腹骨は包丁で薄くすくうようにそぎ落とすとよい。塩焼きや煮付けなどにする場合は、加熱してから骨を取る方法がおすすめだ。ぶつ切りにした太刀魚を加熱し、背側と腹側の身を少し箸で崩してゆっくり骨を引き出すと一気に取り除くことができる。
太刀魚の旬は夏頃だが、1年中漁獲され季節による脂のりの差もあまりないため、いつでも美味しく食べられる魚といえるだろう。自宅で調理する場合は、銀色の皮が美しいものを選ぶとよい。最初は切り身を購入するのが手軽でおすすめだ。うろこはないが小骨は多いため、捌く際か加熱後に取り除いておこう。鮮度のよいものは刺身やなめろうなど生食にも向く。焼き物、煮物、揚げ物なども含め、さまざまな太刀魚料理を楽しもう。
(参考文献)