食・料理
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大分では、「かぼすぶり」というブランド魚が養殖されている。かぼすぶりとはどのような魚なのか、味の特徴や旬、食べ方について紹介していく。一般的なブリとの違いもチェックしながら、かぼすぶりについて詳しくなろう。
かぼすぶりは、平成22年に販売が開始され、その後大分県漁協により商標登録されたブランド魚である。ブリの養殖がかつてよりさかんだった大分県は、かぼすの産地としても知られている。この大分県の名産品であるブリとかぼすを組み合わせてできたのが、かぼすぶりだ。
かぼすぶりは一般的なブリとは異なり、かぼすを混ぜたエサを与えられて育つ。かぼすの果汁や果皮パウダーをエサに混ぜるのだ。出荷までの給餌条件も定められており、エサに対し果汁は1.0%の添加で30回、果皮パウダーは0.5%の添加で25回給餌したものがかぼすぶりとして認められる(※1)。このように餌に柑橘類などの果物を餌に混ぜて育てた食用魚のことをフルーツ魚とも呼ぶこともある。
ブリは時間の経過とともに血合筋が褐変しやすく、輸送先で見た目が劣化してしまうというデメリットがあった。そこで、果実由来のポリフェノールによる褐変抑制効果を狙ったエサの登場に対抗し、大分県の特産品であるかぼすの活用が編み出されたのである。(※2)
ブリの身の褐変を防ぐ目的から開発されたかぼすぶり(※2)は、切り身の褐変が遅く血合いの色が鮮やかで、美しい見た目が特徴だ。さらに、見た目だけでなく味や香りにも一般的なブリとは異なる特徴があるという。
かぼすぶりは、脂がしつこくなくさっぱりとしている。気品を感じられる風味で、いくらでも食べられると高評価を得ている。ブリ特有の魚臭さがおさえられており、ほんのりとかぼすの香りも感じられるそうだ。
さっぱりとした味わいや上品な風味を求めるなら、かぼすぶりは適した魚といえるだろう。
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一般的なブリは冬が旬の魚だが、かぼすぶりの旬はいつなのだろうか。
かぼすぶりも、一般的なブリと同様に冬が旬である。出荷期間に関しては、県と漁協で作成した生産マニュアルにて11~3月と決められている。これには下記の理由がある。
個体のサイズが十分にあることや血合筋の色鮮やかさが発現されることが、かぼすぶりの流通業者にとっては重要なのである。そのため、確実に品質のよいものを流通させるために出荷時期を限定していたが、かぼすぶりの需要が高まり、前倒しや延長出荷を求める動きも出てきた。現在は、出荷時期を拡大させるための研究や試験生産なども行われている。(※1、3)
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さっぱりとしていて香りのよいかぼすぶりは、さまざまな食べ方ができる。シンプルに刺身で食べてもよいし、加熱しても美味しい。また、サッと火を通すブリしゃぶもかぼすぶりの定番料理だ。ほかにも、下記の料理がおすすめである。
【おすすめ料理】
かぼすぶりは、かぼすの果汁や果皮パウダーを混ぜたエサを与えられて育った大分県のブランド魚だ。血合筋の褐変を防ぐ効果だけでなく、さっぱりとした脂や風味のよさが特徴で、全国的にも出荷量が増えているという。一般的なブリと同様にさまざまな食べ方ができるため、かぼすぶりの美味しさを確かめてみてはいかがだろう。
参考文献