食・料理
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監修者:管理栄養士 児玉智絢(こだまちひろ)
出汁は和食には必要不可欠な要素である。鍋料理の場合はとくに、味を向上させる大事な役割を果たしている。鍋料理を作る際にはどんな出汁を用いるべきなのか。本記事では、鍋の料理を作るための出汁について説明する。また本格的な味わいをもつ市販の出汁についても紹介する。
鍋の料理と聞いてまっさきに頭に浮かぶのが寄せ鍋である。寄せ鍋を出汁から手作りする場合は、どんな手順で作ればいいのだろうか。その基本を見てみよう。
寄せ鍋のつゆといえば、醤油出汁が定番である。昆布を材料にする出汁の取り方を会得すると、より本格的な味わいを家庭で楽しめる。
基本的な材料
作り方
味噌の風味が好ましい味噌鍋の場合は、昆布出汁とどのように組み合わせるのか。味噌鍋を作る場合には、昆布出汁と味噌の割合を10:1で調整すると美味しい。また、生姜やニンニクなどの香味を加えると、よりコクのある味噌鍋になる。
鍋を作る場合の出汁は、顆粒タイプや白だしでも美味しく作ることができる。時短にもなるこれらの出汁の作り方を説明する。
ほんだしをはじめ、顆粒出汁を常備している家庭は多い。その利便性は寄せ鍋にも活用可能である。顆粒出汁のなかでもメジャーなほんだしを使う場合の材料と作り方を説明する。
作り方
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あっさりとした白だしは、野菜をたっぷりと入れる鍋によく合うのが嬉しい。白だしを使う場合には、水と白だしの割合を10:1~9:1くらいで調整するのがおすすめである。白だしはすでに味がついているため、基本的にはそのほかの調味料を加える必要はない。好みでほかの調味料を使って味を調えてほしい。
鍋の料理といっても種類は多い。とくに寒い時期の献立にはもってこいの鍋料理、具材を変えた場合にはどんな出汁を作るとよいのだろうか。いくつかの例を紹介する。
冬に美味しくなる蟹を使った鍋は、年末年始などに食べたい贅沢な料理である。蟹鍋を作る場合の出汁は、シンプルな昆布出汁を作り味付けするだけで問題ない。蟹から出る旨みが、蟹鍋にごく自然な美味しさをもたらしてくれるのである。白菜など旬の野菜もたっぷり入れて楽しもう。
高級な料亭で食べるイメージがあるあんこう鍋は、家庭で楽しむこともできる鍋料理である。あんこうの身だけではなく肝も加えるのが通常であるため、具であるあんこうから自然に出汁が出る。あんこう鍋の場合は、味噌仕立てにするのがおすすめである。
とくに関西で愛される鱧は、鍋の具としてもよく知られている。鱧鍋を作る場合には、白だしがよく合う。鱧もまた、鍋を美味しくする出汁を作ってくれる食材なのである。
子どもがいる家庭ならば、豚肉とたっぷりの白菜を使った鍋で食べ盛りの胃袋を満たすことができる。豚のバラ肉と白菜は、ミルフィーユのように層にすると見た目もキレイである。昆布出汁、白だしいずれの場合も美味しくできる。
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市販の出汁には、鍋の料理に特化した商品も多い。人気の鍋の出汁にはどんな特徴があるのかも含めて紹介する。
焼あごを中心に魚介や野菜などの出汁をふんだんに使った出汁が、ミツカンの焼あごだし鍋つゆである。ストレートタイプであるため、薄める必要もなくそのまま使えるのが便利である。上品な味わいはさまざまな具から出る旨みと絡み合い、シメまで美味しく食べられるのがウリとなっている。
味噌仕立ての鍋にしたいのならば、まつやのとり野菜みそはどうだろうか。味噌風味にすることで、鍋の終わりのうどんや雑炊がさらに美味しくなるのである。ベースとなるみそ出汁以外にも、豆板醤で辛みのあるもの、ごまの風味が濃厚なタイプなど、その日の気分で選べるのもありがたい。
市販の出汁のなかでもレベルの高さで知られている茅乃舎の出汁。寒い時期限定の鍋用の出汁が販売されている。上品な味わいの出汁を十分に感じられる茅乃舎の鍋シリーズ、時間がないときもこれひとつあれば、家族も大満足の美味しい鍋料理を提供できる。
冬の定番料理である鍋は、出汁の味わいが決め手である。昆布出汁から丁寧に出汁をとってもよし、時短のために市販の商品を活用しても美味しくできあがる。たっぷりの野菜や魚介類、あるいは肉も加えたレシピを活用すれば、飽きのこない鍋の料理を楽しめる。出汁を上手に確保し、家族で囲む冬の食卓の主役として鍋の料理を堪能してほしい。