食・料理
Advertisements
独特な形をしているあけびだが、スーパーなどではあまり見かけず食べ方を知らない人も多いだろう。そこで今回は、あけびの食べ方を部位ごとに詳しく紹介したい。美味しいあけびを選ぶコツや正しい保存方法も解説しているので、ぜひ参考にしてみてほしい。
まずは、あけびの食べ方を見ていこう。
あけびは皮の中にある白い部分をそのまま生で食べる。小さな種を果肉が包んでおり、白いゼリー状になっているのが特徴だ。種ごと口に含んで食べ、種だけを取り出すようにして食べてみよう。
あけびは種が多いので食べるのが難しいイメージがあるが、紫色の皮は熟した時点で割れているので簡単に果実を取り出せる。種の周りを囲むようにして白い果肉がついており、ほんのり甘い味わいを楽しめる。食べるのは少し大変だが、秋の味覚として人気の食材なのでぜひ味わってみてほしい。
また、秋田県ではあけびの種を使い、あけび種子油を作っていた。あけび種子油はかつて「食用油の王様」とも呼ばれており、贈答用などとしても使われていたという話もある。(※1)
次に、あけびの部位別の食べ方をそれぞれ見ていこう。
あけびは実の部分だけでなく、皮も美味しく食べられる。紫色の皮をスライスし、炒め物や揚げ物にして食べてみよう。あけびの皮にはアクがあるため、水にさらしてアク抜きしてから調理するのがおすすめだ。また塩で揉んだり茹でたりしてもアク抜きができる。
天ぷらにする場合は、薄くそぎ切りにしてから水にさらし、アクを抜いてから水気を拭きとって衣を付けて揚げよう。あらかじめアク抜きをしておけば、煮物や蒸し料理にも使用できる。
あけびは果肉や皮だけでなく、新芽も食べられる。新芽の食べ方は天ぷらや和え物などにするのがおすすめだ。また、広島県ではあけびのつるや葉を使ってお茶を作ることもあるようで、地方によっても食べ方が異なる。(※2)
Advertisements
あけびの食べ方が分かったところで、次は選び方と保存方法を見ていこう。
あけびは皮がキレイな紫色をしており、傷や変色のないものを選ぶのがよい。また、皮に弾力があるものは新鮮で美味しいとされている。あけびは熟すと皮が割れて中が見えるのが特徴だが、収穫から時間が経つと中身が乾いてしまう。そのため、あけびを選ぶ際は中の果肉が乾燥していないかどうかもチェックしよう。中が乾いているものや変色しているものは避けた方がよい。
あけびは熟すと日持ちしないため、できるだけ早く食べきるのがおすすめだ。いろいろな食べ方を試しながら、鮮度が落ちる前に消費しよう。割れていないものは乾燥を防ぐため、ラップに包むなどして冷蔵庫で保存する。
一方、硬くて食べられないあけびの場合は、ビニール袋などに入れて常温に置いておけば追熟する。ただし、高温多湿の場所は避けて保存しよう。
あけびはなかなか見かけない珍しい果物だが、優しい甘さが楽しめるのが魅力だ。また、皮は甘辛く炒めたり天ぷらにしたりすると美味しく食べられる。あけびを食べたことのない方や食べ方が分からない方も、ぜひ本記事を参考にしながらチャレンジしてみてはいかがだろうか。
(参考文献)
※1参照:オレオサイエンス「秋田県に眠るオレオマテリアル-アケビ種子油-」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/oleoscience/18/3/18_107/_pdf/-char/ja
※2参照:山形大学農学部教授 平智「食文化のすすめ」
https://www.fir.co.jp/fs_bk/201710/28.pdf