食・料理
Advertisements
監修者:管理栄養士 児玉智絢(こだまちひろ)
献立の付け合わせや弁当の彩りに活躍する「ブロッコリー」。そのビタミンカラーに食欲が増すという人も多いのではないだろうか。今回は、付け合わせだけでは終わらないブロッコリーのもつ豊富な栄養素やおすすめの食べ合わせについて紹介しよう。
茹でたてをそのまま食べるのも美味しいブロッコリーだが、せっかくなら食べ合わせを考えてより効率的な栄養素の摂取を試みてはいかがだろうか。ここでは、ブロッコリーの主な栄養素やブロッコリーの特徴について紹介する。
ブロッコリーは豊富な栄養素が摂れる優れた食材だ。例えば、活性酸素から細胞や組織を守り、過酸化脂質の発生を抑える役割をはたす、ビタミン類が代表的だろう(※1、2)。このほかにも塩分の摂りすぎを調整するカリウム(※3)や、造血のビタミンといわれる葉酸(※4)も含まれている。
また、ブロッコリーを扱う際に捨ててしまいがちな茎にも、豊富な栄養素が含まれているため、注意が必要だ。硬い皮の部分を切り落とし、つぼみの部分と一緒に調理するとよいだろう。
ただし、つぼみ、茎に含まれる豊富なビタミンCは水溶性のため、茹で時間ができるだけ短くなるよう工夫するのがポイントだ。(※5)栄養豊富なブロッコリーだが、さまざまな食材と食べ合わせることで、よりその効果を発揮することをご存じだろうか。ここではより効果的にブロッコリーの栄養素を摂取できる食べ合わせを紹介する。ぜひ参考にしていただきたい。
Advertisements
見た目にも食欲がわくトマトはガン予防に効果があるとされる栄養素が含まれている。(※6)そのほかにもキャベツやかぼちゃなどをサラダにしたり、大根をおろしてブロッコリーに絡めたりと、見た目の違う調理法で食卓を彩ってみてはいかがだろうか。
また、カルシムを摂取できるという点で、ビタミンDを摂取できる鮭との相性もよいだろう。(※7)調理法としては栄養素を逃さないホイル焼きなどがおすすめだ。この方法であればブロッコリーも一緒に火を通せるので、下茹でをしなくてもよい。
さらに、貧血の予防におすすめの食べ合わせとして、鉄分の多い牡蠣やレバーを合わせるのが効果的だ。赤血球が作られるときに必要な葉酸やビタミンB12などが含まれた食材も積極的に食べ合わせたい。納豆などは朝ごはんにも取り入れやすいだろう。(※8)夜ごはんのメニューで食べ合わせを考えるならば、一日の終わりに疲労回復にも効果が期待できる豚肉がおすすめだ。(※9)ソテーした豚肉にブロッコリーを添えるだけで、見た目の彩りとしてもバランスがよくなる。
Advertisements
ブロッコリーの食べ合わせは、食材のほかにも薬との相性によって身体に悪い影響がでることがある。もちろん体質や症状、年齢などによってもその影響はさまざま。投薬などの必要がある際は、医師に食事の食べ合わせなどについてもアドバイスをもらうとより安心だ。最後にブロッコリーの成分と薬の相性で注目したい栄養素について紹介する。
血液を固める作用があるビタミンKを摂取することで、効果が減弱してしまう例が多くあげられるのが「ワルファリン」という薬。血栓塞栓症の予防や治療に広く使われ、長期の投与を行う場合など、薬効の強弱に細心の注意をはらわなければならない薬だ。先ほどブロッコリーの食べ合わせとして紹介した納豆や、かぼちゃやほうれん草などの緑黄色野菜なども、多量摂取に注意が必要となる。
「栄養宝石の冠」と呼ばれるほどブロッコリーは栄養価の優れた食材だ。普段の食事に加える際は、食べ合わせについても意識したいところ。今回紹介した例を参考にして、より健康的で効果的な食べ合わせで食事を楽しんでいただきたい。
(参考文献)