かますのおすすめ調理法6選|基本の下ごしらえ方法も解説
食・料理
監修者:管理栄養士 児玉智絢(こだまちひろ)
今回紹介するのは、かますの調理法だ。干物や塩焼きで食べることの多いかますだが、小型のものは素揚げで食べても美味しい。シンプルに食べるのもありだが、アクアパッツァやムニエル、香草フライのように洋食で食べるのもおすすめだ。最初にかますを下処理する方法から紹介しよう。
目次
- 1. かますの調理法:基本の下ごしらえ
- 2. かますの調理法:定番料理3選
- 3. かますの調理法:洋風アレンジ3選
1. かますの調理法:基本の下ごしらえ
かますは肉厚な白身魚で、塩焼きや寿司、フライのように和食とも洋食とも相性がよい。皆さんの中には魚をさばくのが苦手という人もいるだろう。ここではかますを下処理する方法を紹介しよう。
かますのうろこや内臓の処理
- まな板にかますを置き、尻尾の手前に包丁の中心をあてる。
- 頭の方に向かいながらうろこを取り除いていく。
- 背のうろこを取り除くため、かますを立てて置く。
- 尻尾の手前の部分に包丁の先をあてる。
- 包丁を頭の方へ移動させ、うろこを取り除く。
- 次に腹を上に向けて置き、背と同じようにうろこを取り除く。
- 6個あるヒレをキッチンバサミでカットする。
- 胸ビレと腹ビレに沿って、頭を切り落とす。
- 肛門にキッチンバサミで切れ目を入れて、エラの手前まで切る。
- 中から包丁の先で内臓をかき出す。
- 身とくっついているところをキッチンバサミで切り離す。
- かますを流水で洗い、キッチンペーパーで水気を拭き取れば下処理は完了だ。
かますの開きと三枚おろし
かますは干物で食べても美味しく、下処理は頭を切り落とさない開きが基本だ。方法は先述した下処理の7までの工程と一緒でOK。7以降の方法を解説する。ちなみにヒレは残したままでも大丈夫だ。
- かますの頭を左側に向けて、まな板に置く。
- エラぶたの際に包丁を入れ、中骨まで切れ込みを入れる。
- 背ビレから包丁を入れ、中骨の主骨あたりまで切り開く。
- 包丁を逆さに持ち替え、腹骨と中骨の主骨がくっついているところを切り離す。
- 尻ビレのある腹身を切り開けば開きになる。
- エラぶたの中の赤いエラと内臓をちぎり取る。
- 血ワタや腹膜を取り除き、水洗いしてキッチンペーパーで水気を拭き取る。
次に三枚おろしにする手順を紹介しよう。先に紹介した下処理後の12以降の工程を解説する。
- かますの背ビレに沿い、尾の付け根に向かって身を切り開いていく。
- 尾の付け根から尻ビレに向かい、腹身を切り開く。
- 尾の付け根に包丁を入れ、頭の切り口に向かい半身腹骨を切り取っていく。
- 同じやり方でもう片方も切り取れば三枚おろしの完成だ。
2. かますの調理法:定番料理3選
ここでは、かますの調理法の定番料理を紹介しよう。作り方を覚えておくと、かますが手に入ったときに役に立つだろう。
1:かますの塩焼き
かますの調理法を代表するのが、塩焼きだ。フライパンで簡単に調理する方法を紹介しよう。
- かますの皮目に切れ目を入れ、塩をふって水分が出たらキッチンペーパーで水気を拭き取る。
- フライパンに油をひいて熱し、かますを並べて中火で焼く。
- 片面に焼き色が付いたら、裏返して焼く。
- 焼き色が付いたら酒を加えてふたをする。
- 中に火が通るまで弱火で4分ほど蒸し焼きにする。
- ふたを取って水分を飛ばすよう加熱すれば塩焼きの完成だ。
ヒレ付きのまま塩焼きにするなら、ヒレに塩をふっておくと焼き上がりがキレイだ。
2:かますの干物
- 開きにしたかますを塩水に入れて、冷蔵庫に入れ30分漬けておく。
- かますを塩水から取り出し、流水でサッと洗い流し水気を拭き取る。
- 身を広げて竹串を刺し、半日ほど干す。
- 水分が均一になるようラップで包み、冷蔵庫に入れて半日ほど置く。
- あとは魚グリルで焼くだけだ。
3:かますの煮付け
かますのおすすめの調理法のひとつが煮付けだ。しょうがをたっぷりきかせると美味で、ごはんがすすむ。
- しょうがは皮をむいて細切りにする。
- かますを斜め半分に切る。
- ザルにかますをのせ、全体が白っぽくなるよう熱湯をかける。
- キッチンペーパーで水気を拭き取る。
- 鍋に水・しょうゆ・酒・みりん・砂糖・しょうがを入れ、中火でひと煮立ちさせる。
- 鍋にかますを加え、ふたをして弱火で10分ほど煮る。
- 中に火が通ったら、ふたを取る。
- 煮汁をまわしかけながら、煮汁が減るまで中火で煮詰めれば完成だ。
かますは骨が多い魚なので、子どもに食べさせるときは注意すること。
3. かますの調理法:洋風アレンジ3選
最後にかますを洋風で味わう調理法を紹介しよう。
1:かますのアクアパッツァ
かますを洋風で味わう調理法のひとつが、イタリアンのアクアパッツァだ。ちなみにアクアパッツァとはイタリア語で水煮を意味する。
- かますの腹の中に塩こしょうをすり込んで半分に切る。
- ミニトマトのへたを落とし、横半分に切る。
- フライパンにオリーブオイルをひいて中火で熱し、水洗いして水気を拭き取ったかますを入れて焼く。
- 焼き色がついたら裏返し、ニンニクを入れて炒める。
- 香りが立ったら、水とミニトマト、オリーブを加え、強火にして炒める。
- 煮立ったら、かますに煮汁をかけながら、約10分煮る。
- 塩、こしょうで味を調えれば完成だ。
2:かますのムニエル
かますの調理法のひとつが、ムニエルだ。
- かますを食べやすい大きさに切り、小麦粉をまぶす。
- フライパンにオリーブオイルをひいて弱めの中火で熱する。
- かますを加えて両面をゆっくりと焼く。
- ワインを加え、ふたをして1~2分ほど蒸し焼きにする。
- かますを器に盛り付け、フライパンは洗わず、ワイン・はちみつ・半月切りのレモンを加える。
- 火加減を弱火にしてバター・レモン汁・レモンの皮をすりおろしたものを加える。
- 全体が色付いたら火を止め、かますにかければ完成だ。
ごはんはもちろんアルコールとも相性ばっちりの一品だ。
3:かますの香草フライ
サクッフワッとした食感の、かますの香草フライもおすすめの調理法のひとつだ。
- かますは適当な大きさにカットし、塩こしょうをふる。
- 小麦粉、溶き卵、パセリ入りパン粉の順に衣を付けていく。
- フライパンに油を入れ、170~175℃くらいに熱し、かますを入れて揚げる。
- 泡がぶくぶくと大きいうちは、さわらないこと。
- 泡が小さくなって淡いキツネ色になったら、バットに上げて余分な油を切れば完成だ。
パン粉を付けるとき、はがれないようにしっかりと付着させておくこと。食べるときはレモンを絞ったり、ソースをかけたり、好みの味で食べてOKだ。
結論
かますの下処理や調理法を紹介した。魚の中では、あまりかますになじみがないという人もいるだろう。先述したように、かますは塩焼きや干物をはじめ、煮付け、アクアパッツァ、ムニエル、香草フライで食べても美味しい。
監修管理栄養士:児玉智絢
経歴:女子栄養大学栄養学部を卒業後、管理栄養士免許を取得。食品メーカーの商品開発などを経験後、フリーランスとして栄養・健康分野の記事監修を中心に活動中。